1720

東急建設(1720)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 建設事業が中核
    東急建設グループは、東急グループの一員として、主に建設事業を展開しています。具体的には、建築工事と土木工事の二つの分野で事業を行っており、国内外の子会社や関連会社と連携しながら、幅広い建設プロジェクトを手掛けています。東急グループからの継続的な受注も収益基盤を支えています。
  • 不動産事業等も展開
    建設事業の他に、不動産の販売や賃貸事業も行っています。また、子会社を通じてICT関連サービス事業やPFI事業(公共施設の整備・運営を民間が行う事業)、ベンチャー企業への投資なども手掛けており、多角的な事業展開で収益機会を広げています。
  • グループ連携で収益確保
    東急グループの構成員として、グループ内の開発事業を担っています。東急株式会社や東急電鉄株式会社といった主要な関係会社から継続的に工事を受注しており、これが安定した収益源の一つとなっています。グループシナジーを活かしたビジネスモデルが特徴です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建設事業(建築)
    建築工事とその付帯事業が主な内容です。国内外の子会社と連携し、様々な建築プロジェクトを手掛けています。最新年度の売上高は2196.84億円、営業利益は118.18億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭であり、事業規模が非常に大きいことが特徴です。
  • 建設事業(土木)
    土木工事とその付帯事業を展開しており、主に当社の土木部門と一部の子会社が担当しています。最新年度の売上高は684.86億円、営業利益は45.38億円です。建築事業に次ぐ規模で、インフラ整備など社会基盤を支える重要な事業分野です。
  • 不動産事業等
    不動産の販売や賃貸事業のほか、ICT関連サービス、PFI事業、ベンチャー投資など多岐にわたります。最新年度の売上高は49.68億円、営業利益は14.88億円です。他の建設事業と比較すると規模は小さいですが、収益性が高く、事業の多角化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ConstructionConstruction 事業 2,197 118 5.4%
ConstructionEngineering 事業 685 45 6.6%
RealEstate 事業 50 15 30.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,186 文字
3 【事業の内容】当社グループは、東急グループの構成員として開発事業の分野を担い、当社、子会社11社、関連会社5社で構成され、建設事業を中心に事業を展開しております。 当社グループの事業に係る位置付け及びセグメント情報との関連は、次のとおりであります。 なお、セグメント情報に記載された区分と同一であります。 建設事業 当社を中心に事業を行っております。当社は、子会社の東建産業㈱、東急リニューアル㈱、㈱川村積算及び関連会社の世紀東急工業㈱、東急グリーンシステム㈱、あすか創建㈱に工事とそれに附帯する事業の一部を発注しております。海外においては、子会社のPT.TOKYU CONSTRUCTION INDONESIA、GOLDEN TOKYU CONSTRUCTION CO.,LTD.、INDOCHINE ENGINEERING LIMITEDとその子会社2社、TC PACIFIC CONSTRUCTION, LLC及び関連会社のCH.KARNCHANG-TOKYU CONSTRUCTION CO.,LTD.が事業を行っております。また、その他の関係会社の東急㈱及びその他の関係会社の子会社の東急電鉄㈱より工事の一部を継続的に受注しております。そして、当社グループは、建設事業を「建設事業(建築)」と「建設事業(土木)」に分類して事業を行っております。建設事業(建築):当社の建築部門と子会社の東建産業㈱、東急リニューアル㈱、PT.TOKYU CONSTRUCTION INDONESIA、GOLDEN TOKYU CONSTRUCTION CO.,LTD.、INDOCHINE ENGINEERING LIMITED、INDOCHINE ENGINEERING VIETNAM LLC、INDOCHINE ENGINEERING PTY.LIMITED、㈱川村積算、TC PACIFIC CONSTRUCTION, LLCが建築工事とそれに附帯する事業を行っております。建設事業(土木):当社の土木部門と子会社のPT.TOKYU CONSTRUCTION INDONESIA及びGOLDEN TOKYU CONSTRUCTION CO.,LTD.が土木工事とそれに附帯する事業を行っております。 不動産事業等 当社が不動産の販売、賃貸事業等を行っております。また、子会社の東急リニューアル㈱はICT関連サービス事業を、子会社の大阪消防PFI㈱は「大阪府立消防学校再整備等事業」を、子会社の東急建設-GBイノベーション投資事業有限責任組合はベンチャー企業への投資を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。(注) 上記系統図の連結子会社11社及び持分法適用関連会社4社のほか、関連会社1社「㈱北上さくらスクールランチ」(持分法非適用関連会社)があります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
建設市場の縮小や資材・労務価格の急激な変動が売上高減少や工事採算悪化に影響するため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
人協調型ロボティクス社会実装技術開発など、建設生産システムの変革や生産性向上への取り組み。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:気候変動や自然災害 / 金利上昇による資金調達コスト上昇 / 建設市場の動向
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東急建設は、長年の実績とブランド力を持つものの、特許や商標などの強力な無形資産に依存しているわけではない。特定の技術やブランドが独占的な優位性を生み出しているとは言えない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設プロジェクトは、一度開始すると他の建設会社への切り替えは困難であり、顧客にとっては高いスイッチングコストが発生する。しかし、新規プロジェクトの入札においては競争が存在する。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業において、強力なネットワーク効果は限定的。ゼネコン間の連携や協力関係はあるが、それが直接的な競争優位に繋がるほどの排他性はない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

建設業は規模の経済が働く側面もあるが、個々のプロジェクトの特性が強く、標準化されたコスト優位性を確立するのは難しい。資材調達や効率化努力は行われている。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

東急建設は、大規模なインフラプロジェクトや都市開発を手掛ける能力を持ち、その規模は競争優位となりうる。大規模プロジェクトの遂行能力は、中小企業には真似できない。

  • 東急ブランドの信頼性
    東急建設は東急グループの一員として、安心で快適な生活環境を提供する「東急ブランド」の価値を競争力としています。長年にわたる実績とグループ全体の信頼性が、顧客からの受注や事業展開において大きな強みとなっています。
  • 国内外の事業展開力
    国内の建築・土木工事に加え、インドネシアやタイ、ベトナムなど海外にも子会社を展開し、国際的な建設事業を行っています。これにより、国内市場の変動リスクを分散し、成長が見込まれる海外市場での収益機会を獲得できる点が強みです。
  • 技術とデジタル活用
    建設現場におけるICT活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)による生産システム変革、生産性向上に取り組んでいます。これにより、技能労働者不足といった業界課題に対応しつつ、効率的な施工と高品質なサービス提供を実現する技術力が競争優位に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 脱炭素・廃棄物ゼロ・防災減災
    2030年の企業ビジョン「VISION2030」と長期経営計画「To zero, from zero.」を策定し、3つの提供価値「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」を軸に事業を推進しています。これにより、社会課題解決と持続的な企業価値向上を目指しています。
  • コア・戦略事業の明確化
    国内の土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」と位置づけ、既存事業の深掘りによる収益基盤の強化を図っています。一方、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」とし、新たな事業領域の拡大や収益源の多様化を追求しています。
  • 人材とデジタル技術の活用
    長期経営計画では、人材とデジタル技術を競争優位の源泉と位置づけています。DXによる建設生産システムの変革や生産性向上、人材育成の強化を通じて、変化する建設市場に対応し、持続的な成長を実現するための基盤を構築することを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、建設事業を主要な事業内容としており、東急グループの一員として同事業の分野を担っており、東急グループ各社と連携し、安心で快適な生活環境を提供する東急ブランドをより強固にしつつ、その価値を競争力の一つとしております。2021年3月に、創業の精神を受け継いだ企業理念に基づき、社会課題の解決を強く意識した2030年の企業ビジョン「VISION2030」、同年5月には、その達成に向けた10か年の長期戦略「長期経営計画 “To zero, from zero.”」を策定しております。これらを実行することにより持続的な企業価値向上を実現してまいります。①長期経営計画の概要項 目長期経営計画“To zero, from zero.”計画期間2021年度より2030年度の10か年基本方針国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、「知の深化」と「知の探索」を実践し、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした5つの重点戦略を実行することにより、財務・非財務両面での持続的な企業価値の向上を目指します。 ②長期経営計画のKPI経営指標2026年度目標2030年度目標(1)連結営業利益(率)(2)連結ROIC ※1、※2(3)連結ROE(4)D/Eレシオ(5)自己資本比率(6)従業員エンゲージメント ※3(7)GHG排出量Scope1・2 ※4(8)GHG排出量Scope3 ※4165億円(5.0%)-9.7% 0.5倍以下40%程度A30.6%削減20.0%削減220億円以上(5.0%以上)7.0%以上10.0%以上0.5倍以下45%程度AAA47.9%削減30.0%削減 ※1 当社はKPIとしてROICを採用し、収益性と資本効率の状況を定量的に把握してまいります。※2 ROICについては、2030年度で7.0%以上を目指すことを掲げております。※3 ㈱リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントレーティングであります。対象は子会社を含めたグループ全体の従業員としており、2030年度目標指標の「AAA」は、全11段階中最上位のレーティングとなっております。※4 2018年度を基準としております。GHG排出削減目標はSBT認証における1.5℃基準(参照:SBTi Corporate Near-Term criteria ver5.2)に基づき設定しております。 なお、各年度の目標指標は2026年5月8日に公表いたしました「「長期経営計画“To zero,from zero.”」のローリングに関するお知らせ」の数値を記載しております。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「(1) 経営方針」に記載の経営方針及び「長期経営計画 “To zero, from zero.”」を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。今後の国内建設市場につきましては、建設投資は引き続き堅調に推移することが見込まれます。しかしながら、中東情勢による原材料価格高騰等の影響のほか、技能労働者の減少や時間外労働に関する上限規制適用後の影響等が懸念されることから、デジタルによる技術革新等の構造変革に適応できる人材の確保・育成が求められております。このような情勢下におきまして当社グループでは、物価高騰への対応や協力会社との関係強化を図りつつ、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、既存事業の深掘りと新規分野の模索等「知の深化」と「知の探索」を実践してまいります。また、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とし、この3つの提供価値と人材・デジタル技術の競争優位構築による「東急建設ブランドの訴求・確立」をはじめとする5つの重点戦略を実行することで当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、建設事業を主要な事業内容としており、東急グループの一員として同事業の分野を担っており、東急グループ各社と連携し、安心で快適な生活環境を提供する東急ブランドをより強固にしつつ、その価値を競争力の一つとしております。2021年3月に、創業の精神を受け継いだ企業理念に基づき、社会課題の解決を強く意識した2030年の企業ビジョン「VISION2030」、同年5月には、その達成に向けた10か年の長期戦略「長期経営計画 “To zero, from zero.”」を策定しております。これらを実行することにより持続的な企業価値向上を実現してまいります。①長期経営計画の概要項 目長期経営計画“To zero, from zero.”計画期間2021年度より2030年度の10か年基本方針国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、「知の深化」と「知の探索」を実践し、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした5つの重点戦略を実行することにより、財務・非財務両面での持続的な企業価値の向上を目指します。 ②長期経営計画のKPI経営指標2026年度目標2030年度目標(1)連結営業利益(率)(2)連結ROIC ※1、※2(3)連結ROE(4)D/Eレシオ(5)自己資本比率(6)従業員エンゲージメント ※3(7)GHG排出量Scope1・2 ※4(8)GHG排出量Scope3 ※4165億円(5.0%)-9.7% 0.5倍以下40%程度A30.6%削減20.0%削減220億円以上(5.0%以上)7.0%以上10.0%以上0.5倍以下45%程度AAA47.9%削減30.0%削減 ※1 当社はKPIとしてROICを採用し、収益性と資本効率の状況を定量的に把握してまいります。※2 ROICについては、2030年度で7.0%以上を目指すことを掲げております。※3 ㈱リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントレーティングであります。対象は子会社を含めたグループ全体の従業員としており、2030年度目標指標の「AAA」は、全11段階中最上位のレーティングとなっております。※4 2018年度を基準としております。GHG排出削減目標はSBT認証における1.5℃基準(参照:SBTi Corporate Near-Term criteria ver5.2)に基づき設定しております。 なお、各年度の目標指標は2026年5月8日に公表いたしました「「長期経営計画“To zero,from zero.”」のローリングに関するお知らせ」の数値を記載しております。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「(1) 経営方針」に記載の経営方針及び「長期経営計画 “To zero, from zero.”」を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。今後の国内建設市場につきましては、建設投資は引き続き堅調に推移することが見込まれます。しかしながら、中東情勢による原材料価格高騰等の影響のほか、技能労働者の減少や時間外労働に関する上限規制適用後の影響等が懸念されることから、デジタルによる技術革新等の構造変革に適応できる人材の確保・育成が求められております。このような情勢下におきまして当社グループでは、物価高騰への対応や協力会社との関係強化を図りつつ、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、既存事業の深掘りと新規分野の模索等「知の深化」と「知の探索」を実践してまいります。また、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とし、この3つの提供価値と人材・デジタル技術の競争優位構築による「東急建設ブランドの訴求・確立」をはじめとする5つの重点戦略を実行することで当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境に改善の動きが見られ、景気は緩やかに回復しました。しかしながら、金融資本市場の変動や米国の通商政策に加え、中東情勢の影響等により、先行きに対する不透明感が高まりました。建設業界におきましては、政府建設投資は底堅く推移し、民間建設投資は企業の旺盛な設備投資意欲の継続により前年度を上回ったことから、建設投資は総じて増加しました。このような情勢下におきまして当社グループは、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした5つの重点戦略(「東急建設ブランドの訴求・確立」「コア事業の深化」「戦略事業の成長」「人材・組織戦略」「財務・資本戦略」)に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は341,181百万円(前期比16.4%増)となりました。損益面では、国内土木工事における追加設計変更獲得を主因として、完成工事総利益が増加したことにより、営業利益は16,306百万円(前期比84.5%増)、経常利益は17,552百万円(前期比80.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を特別利益に計上したこと等から、13,390百万円(前期比101.9%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(建設事業(建築))完成工事高については、海外工事が減少したものの、国内民間工事及び国内官公庁工事の増加により、259,236百万円(前期比18.0%増)となりました。一方、セグメント利益については、15,499百万円(前期比31.1%増)となりました。 (建設事業(土木))完成工事高については、海外工事が減少したものの、国内民間工事及び国内官公庁工事の増加により、74,350百万円(前期比8.6%増)となりました。一方、セグメント利益については、9,731百万円(前期比114.4%増)となりました。 (不動産事業等)不動産事業等売上高については、賃貸事業や販売用不動産の売却等により、7,593百万円(前期比52.8%増)となりました。セグメント利益については、1,080百万円(前期比27.5%減)となりました。 当連結会計年度末の資産の部につきましては、保有目的の変更に伴い土地の一部を販売用不動産へ振り替えたこと等から、土地が3,551百万円減少した一方、受取手形・完成工事未収入金等が10,536百万円、現金預金が9,921百万円、それぞれ増加したこと等により、資産合計は前連結会計年度末と比較して36,533百万円増加(13.3%増)し、310,849百万円となりました。 負債の部につきましては、長期借入金の一部を短期借入金へ振替えたこと等から、長期借入金が20,144百万円減少した一方、短期借入金が29,500百万円、預り金が9,350百万円それぞれ増加したこと等により、負債合計は前連結会計年度末と比較して26,524百万円増加(15.5%増)し、198,173百万円となりました。 純資産の部につきましては、配当を4,040百万円実施したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を13,390百万円計上したこと等により、利益剰余金が増加した結果、株主資本は9,573百万円増加しました。また、退職給付に係る調整累計額が571百万円増加したこと等から、その他の包括利益累計額は238百万円増加しました。この結果、純資産合計は前連結会計年度末と比較して10,008百万円増加(9.7%増)し、112,676百万円となりました。なお、自己資本は111,446百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して1.2ポイント減少し、35.9%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、売上債権の増加や棚卸資産の増加等の資金減少があったものの、未収入金の減少や税金等調整前当期純利益19,258百万円の計上等の資金増加により、6,910百万円の資金増加(前連結会計年度は41,203百万円の資金増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有形及び無形固定資産の売却による収入等があったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出等により、2,451百万円の資金減少(前連結会計年度は1,595百万円の資金減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払額等による資金減少があったものの、短期借入金の純増等により、5,387百万円の資金増加(前連結会計年度は31,878百万円の資金減少)となりました。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から9,921百万円増加し、49,587百万円(前連結会計年度末は39,666百万円)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 a.受注実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率(%)建設事業(建築) (百万円)308,544327,59119,0476.2建設事業(土木) (百万円)97,335105,1367,8018.0 合計 (百万円)405,879432,72826,8486.6 (注) 当社グループでは「建設事業(建築)」及び「建設事業(土木)」以外では受注生産を行っておりません。 b.売上実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減増減率(%)建設事業(建築) (百万円)219,684259,23639,55218.0建設事業(土木) (百万円)68,48674,3505,8648.6不動産事業等 (百万円)4,9687,5932,62552.8 合計 (百万円)293,139341,18148,04216.4 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。 前連結会計年度 該当する相手先はありません。 当連結会計年度 囲町東地区市街地再開発組合35,718百万円10.5% なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績 a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高期別区分前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)建築工事289,782283,892573,675191,764381,911土木工事107,59797,206204,80368,116136,686計397,379381,098778,478259,880518,597当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)建築工事381,911303,808685,719235,071450,647土木工事136,686105,136241,82374,350167,472計518,597408,944927,542309,422618,119 (注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。また、前事業年度以前に外貨建で受注したもので、当事業年度中の為替相場の変動により請負金額の増減がある場合についても同様の処理をしております。2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。 b.受注工事高の受注方法別比率工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。 期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築工事28.072.0100土木工事5.894.2100当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築工事38.062.0100土木工事18.082.0100 (注) 百分比は請負金額比であります。 c.完成工事高 期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築工事11,413180,350191,764土木工事44,09824,01768,116計55,512204,368259,880当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築工事21,745213,326235,071土木工事43,65330,69774,350計65,398244,023309,422 (注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。前事業年度ミャンマー連邦共和国運輸・通信省ヤンゴン・マンダレー鉄道改善工事 第1期事業 CP103工区 日本GLP㈱GLP八千代Ⅴ新築工事 瑞穂プロパティー特定目的会社(仮称)多摩地区物流センター新築工事 三菱地所レジデンス㈱三菱倉庫㈱千代田区三番町26計画新築工事 国土交通省R2国道246号渋谷駅周辺地下道工事 当事業年度中日本高速道路㈱新東名高速道路 湯触トンネル他1トンネル工事 ㈱共立メンテナンス(仮称)ラビスタ熱海新築工事 三井不動産㈱(仮称)三井不動産ロジスティクスパーク入間Ⅰ新築工事 日本中央開発特定目的会社(仮称)強羅花壇Mt.富士計画新築工事 ㈱南西楽園リゾート(仮称)アラマンダヒルトップホテル新築工事 2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。 前事業年度 該当する相手先はありません。 当事業年度 囲町東地区市街地再開発組合35,718百万円11.5% d.次期繰越工事高(2026年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)建築工事85,403365,243450,647土木工事101,30966,162167,472計186,713431,406618,119 (注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。東急㈱東日本旅客鉄道㈱東京地下鉄㈱渋谷駅街区西棟・中央棟高層部(内装・設備)新築工事2031年10月完成予定 囲町東地区市街地再開発組合囲町東地区第一種市街地再開発事業 施設建築物本体工事2026年6月完成予定 横浜本牧2プロパティー特定目的会社(仮称)本牧物流センター(西)新築工事2028年2月完成予定 バングラデシュ人民共和国道路交通橋梁省マタバリ港アクセス道路建設工事(中央工区)CW-3bおよび(東工区)CW-3c2029年3月完成予定 積水ハウス㈱(仮称)グランドメゾン千鳥ヶ淵計画新築工事2028年12月完成予定 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、売上高は341,181百万円(前期比16.4%増)となりました。損益面では、国内土木工事における追加設計変更獲得を主因として、完成工事総利益が増加したことにより、営業利益は16,306百万円(前期比84.5%増)、経常利益は17,552百万円(前期比80.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を特別利益に計上したこと等から、13,390百万円(前期比101.9%増)となりました。 財政状態については、受取手形・完成工事未収入金等や現金預金が増加したこと等により、資産合計は310,849百万円(前連結会計年度末比13.3%増)となりました。また、短期借入金や預り金が増加したこと等により、負債合計は198,173百万円(前連結会計年度末比15.5%増)、利益剰余金の積上げ等により純資産は112,676百万円(前連結会計年度末比9.7%増)となりました。自己資本比率は35.9%(前連結会計年度から1.2ポイント減少)となりました。 b.経営成績に重要な影響を与える要因今後の国内建設市場につきましては、建設投資は引き続き堅調に推移することが見込まれます。しかしながら、中東情勢による原材料価格高騰等の影響のほか、技能労働者の減少や時間外労働に関する上限規制適用後の影響等が懸念されることから、デジタルによる技術革新等の構造変革に適応できる人材の確保・育成が求められております。このような情勢下におきまして当社グループでは、物価高騰への対応や協力会社との関係強化を図りつつ、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、既存事業の深掘りと新規分野の模索等「知の深化」と「知の探索」を実践してまいります。また、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とし、この3つの提供価値と人材・デジタル技術の競争優位構築による「東急建設ブランドの訴求・確立」をはじめとする5つの重点戦略を実行することで当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。 c.目標とする経営指標の達成状況当社グループが「長期経営計画“To zero, from zero.”」で掲げた目標及び、当連結会計年度の実績は以下のとおりです。経営指標2025年度目標2025年度実績2030年度目標連結営業利益(率)95億円(2.8%)163億円(4.8%)220億円以上(5.0%以上)連結ROIC-9.2%7.0%以上連結ROE7.1%12.6%10.0%以上D/Eレシオ0.5倍以下0.32倍0.5倍以下自己資本比率40%程度35.9%45%程度従業員エンゲージメント ※1ABBBAAAGHG排出量Scope1・2 ※226.2%削減52.7%削減47.9%削減GHG排出量Scope3 ※217.5%削減51.0%削減30.0%削減 ※1 ㈱リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントレーティングであります。対象は子会社を含めたグループ全体の従業員としており、全11段階に分かれており、2025年度実績の「BBB」は、「AAA」「AA」「A」に次ぐ上位から4段階目のレーティングとなっております。※2 2018年度を基準としております。GHG排出削減目標はSBT認証における1.5℃基準(参照:SBTi Corporate Near-Term criteria ver5.2)に基づき設定しております。 なお、2025年度の実績値は、第三者保証取得前の数値であるため変更の可能性があります。 また、施工中工事の不具合や、過年度引渡し物件に係る施工瑕疵に対し、当社では、安全・品質・工程管理等のコア業務に関する技術員教育の強化、本社による作業所支援体制の強化、特定工事に対する専門委員会の設置等、品質管理体制の強化による再発防止策を徹底し、施工品質の向上に引き続き努めてまいります。 d.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費の支払や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、当社グループは提出日現在、事業運転資金の安定的且つ機動的な調達を目的として、取引金融機関5行との間でそれぞれ締結しております、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約等からの借入や、短期社債の発行により資金調達を行っております。 e.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 (建設事業(建築))当連結会計年度における受注高は327,591百万円(前連結会計年度は308,544百万円)、完成工事高は259,236百万円(前連結会計年度は219,684百万円)、セグメント利益は15,499百万円(前連結会計年度は11,818百万円)となりました。 (ⅰ) 完成工事高(個別)当事業年度における当社個別の完成工事高は、前事業年度比43,307百万円(22.6%)増加の235,071百万円となりました。工事分類別では、前事業年度に比べ「教育研究文化施設」、「住宅」、「事務所庁舎」が増加し、「宿泊施設」、「医療福祉施設」が減少しました。また、発注者別では、官公庁工事、民間工事ともに増加となりました。(単位:百万円) 前事業年度当事業年度増減率 完成工事高191,764235,07122.6% 完成工事総利益15,53219,53925.8% (ⅱ) 完成工事総利益率(個別)利益率は前事業年度比0.2ポイント増加し、8.3%となりました。 (ⅲ) 受注高(個別) 受注高は303,808百万円で、前事業年度比19,915百万円(7.0%)の増加となりました。 (発注者別)中央官庁からの受注は前事業年度比58.3%減少、地方自治体からの受注は同400.3%増加し、官公庁工事の受注額合計では同36.6%増加しました。東急グループを除く民間の受注は前事業年度比23.9%減少、東急グループからの受注は同280.6%増加となり、民間の受注額合計では同2.7%増加となりました。なお、受注高全体に占める東急グループ発注工事の割合は、当事業年度27.1%となりました。官公庁工事と民間工事では、官公庁工事16.2%、民間工事83.8%の構成比となりました。 (工事分類別)「店舗」は前事業年度比94.7%増加し、構成比は25.1%となりました。「事務所・庁舎」は前事業年度比98.9%増加し、構成比は20.4%となり、「倉庫・流通施設」は前事業年度比6.8%減少し、構成比は18.2%となりました。 (エリア別)国内において、首都圏と地方の比較でみると、首都圏の割合が前事業年度比5.0ポイント増加し、国内全体に占める割合は87.4%となりました。 (建設事業(土木))当連結会計年度における受注高は105,136百万円(前連結会計年度は97,335百万円)、完成工事高は74,350百万円(前連結会計年度は68,486百万円)、セグメント利益は9,731百万円(前連結会計年度は4,538百万円)となりました。 (ⅰ) 完成工事高(個別)当事業年度における当社個別の完成工事高は、前事業年度比6,234百万円(9.2%)増加の74,350百万円となりました。工事分類別では、前事業年度に比べ「上下水道」、「道路」が増加しました。また、発注者別では、官公庁工事が減少し、民間工事が増加となりました。 (単位:百万円) 前事業年度当事業年度増減率完成工事高68,11674,3509.2%完成工事総利益7,75712,48460.9% (ⅱ) 完成工事総利益率(個別)利益率は、前事業年度比5.4ポイント増加し、16.8%となりました。 (ⅲ) 受注高(個別)受注高は105,136百万円で、前事業年度比7,930百万円(8.2%)の増加となりました。 (発注者別)中央官庁からの受注は前事業年度比44.0%減少、地方自治体からの受注は同48.1%増加し、官公庁工事の受注額合計では同23.5%減少しました。東急グループを除く民間の受注は前事業年度比194.1%増加、東急グループからの受注は同19.2%減少となり、民間の受注額合計では同96.5%と増加となりました。なお、受注高全体に占める東急グループ発注工事の割合は、当事業年度9.0%となりました。官公庁工事と民間工事では、官公庁工事52.0%、民間工事48.0%の構成比となりました。 (工事分類別)「鉄道」は前事業年度比43.5%増加し、構成比は30.6%となりました。「道路」は前事業年度比41.0%減少し、構成比は27.0%となり、「上・下水道」は前事業年度比33.9%増加し、構成比は19.1%となりました。 (エリア別)国内において、首都圏と地方の比較でみると、首都圏の割合が前事業年度比1.3ポイント減少し、国内全体に占める割合は74.8%となりました。 (不動産事業等(連結))不動産事業等売上高は7,593百万円(前連結会計年度は4,968百万円)となりました。この主な内容は、賃貸事業や販売用不動産の売却等に係るものであります。また、損益面では、1,080百万円のセグメント利益(前連結会計年度は1,488百万円)となりました。 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 気候変動と自然災害
    気候変動による政府の規制強化やサステナブルな調達への要請が高まることで、売上減少や工事採算悪化のリスクがあります。また、激甚化する風水害や地震などの自然災害により、従業員や資産が被災し、事業活動に影響が出る可能性も考えられます。
  • 建設市場の変動性
    景気変動による国内建設市場の縮小、資材価格や労務費の急激な高騰は、売上高の減少や工事採算の悪化に直結するリスクです。建設需要の質的変化(新設から維持・修繕へ)や技能労働者不足も、事業運営に影響を与える可能性があります。
  • 金利上昇と資金調達
    事業活動に必要な金融機関からの資金調達において、金利が上昇すると資金調達コストが増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これは、大規模な建設プロジェクトを多く手掛ける同社にとって、重要な財務リスクの一つとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,247 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 気候変動や自然災害脱炭素社会への移行に向けた国内外の政策・規制の強化により、建築物の省エネルギー化要件の強化や、建物ライフサイクルを通じた温室効果ガス排出量の算定・開示義務付け等が進展する可能性があります。これら規制強化への対応が遅れた場合、売上高の減少、工事採算の悪化等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、ZEB(Net Zero Energy Building)の推進や再生可能エネルギー電力の使用をはじめ、「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」を軸とした取り組みを推進することにより対応しております。また、気候変動に伴い激甚化する風水害や、地震、津波等により当社グループの従業員や保有資産が被災するリスクに対して、BCP(事業継続計画)に基づいた訓練を行う等、BCM(事業継続マネジメント)にも取り組んでおります。 (2) 金利上昇による資金調達コスト上昇事業活動推進に必要となる金融機関からの資金調達において、金利上昇による資金調達コストの上昇が要因となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、短期社債の発行やグリーンローン借入等、資金調達方法を多様化させることで低コストかつ安定的な資金調達に努め対応しております。 (3) 建設市場の動向景気変動による国内建設市場の縮小、国際情勢による調達環境の不安定化等による資材・労務価格等の急激な変動が発生した場合、売上高の減少、工事採算の悪化等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当該リスクには、市場の縮小に対してはイノベーションによる新たな事業領域の拡大、資材・労務価格等の急激な変動に対しては先行調達や代替工法の提案等により対応しております。 (4) 建設産業の構造変化に関するリスク技能労働者の減少による供給力の低下や、担い手不足の進行に伴う業界再編の加速等、建設産業の構造変化への対応が遅れた場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、協力会社との連携を強化しつつ、建設現場におけるICTの活用等DXによる建設生産システムの変革、生産性の向上により対応しております。 (5) 従業員の確保に関するリスク労働人口の減少や働き方の多様化、産業間の人材獲得競争が進む中、人権尊重への対応やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進、処遇・働き方の改善等、雇用環境の整備が十分に進まない場合、人材の確保が困難となる可能性があります。その結果、必要な企業活動や十分な施工体制構築ができず売上高の減少や工事採算の悪化等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、人事制度改革や働き方改革を推進し、当社の魅力を高めるとともに、人材育成の強化を通じて従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境を整備することで対応しております。 (6) 施工瑕疵や品質不良設計、施工における不具合等によりその補修等に多大な費用を要するような重大な瑕疵、品質不良が発生した場合、補修費用の発生による工事採算の悪化や顧客からの信頼喪失による受注機会の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、土木・建築各事業本部との組織連携や、品質管理の活動強化を図り、PDCAサイクルを実践する等、当社が定める品質方針に基づき対応しております。なお、品質問題の発生および重大化を防ぐため、経営者まで速やかに品質の情報が共有される体制の整備や内部通報制度の拡大、施工部門における品質管理の再構築、技量向上を目的とした作業所技術員への人材投資の強化、組織風土の改革といった事項にも取り組んでおります。 (7) 重大な事故・災害第三者や多数の死傷者を伴う重大な事故・災害の発生及び社会的に影響の大きい工事等における事故が発生した場合、社会からの信頼喪失による受注機会の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、経営トップの関与をより高めた安全管理体制等、当社が定める安全方針に基づき対応しております。 (8) サイバーリスクサイバー攻撃等による機密情報の流出や社内システムの機能障害が発生した場合、顧客や社会からの信頼喪失、事業活動の停滞等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、情報セキュリティ基本方針に基づき、情報漏洩等の問題に対する物理的・人的・IT等の各側面からの情報セキュリティ対策、e-ラーニングを用いた従業員教育の推進等により対応しております。 (9) 国際事業の展開に伴うリスク国際事業を展開する上で、海外諸国の政治・経済情勢、為替や法的規制等、事業環境に著しい変化が生じた場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクには、本社機能を含むガバナンスを充実させリスクマネジメントを強化することにより対応しております。

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