事業の概要
- 建設事業と不動産賃貸事業が柱土地所有者に対し、アパートやマンションなどの賃貸建物の企画・建築を請け負う「建設事業」と、完成した建物を一括で借り上げ、入居者に転貸する「不動産賃貸事業」が収益の大きな柱です。これにより、土地活用を考えるオーナーと住まいを探す入居者の双方にサービスを提供しています。
- 不動産関連の多角的な展開建設・賃貸事業に加え、賃貸物件の入居者仲介、オフィスビルなどの賃貸、入居者の保証人受託、不動産開発(物流施設、ホテル、マンションなど)、さらには不動産業務のデジタルプラットフォーム運営まで、不動産に関する幅広いサービスを展開し、多角的な収益源を確保しています。
- 金融・その他事業も展開建設資金の融資を行う「金融事業」や、LPガスなどの燃料販売、デイサービスや有料老人ホームなどの介護・保育事業、海外ホテル事業、自然エネルギーによる発電事業など、不動産関連以外にも多様な事業を手掛けています。これにより、事業ポートフォリオを広げ、安定的な収益基盤を構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 建設事業売上5,409.75億円、営業利益471.43億円。この事業では、土地の有効活用を考えるオーナーに対し、賃貸建物の企画提案から設計、施工までを一貫して請け負います。グループ会社が大東建託が施工する工事の一部を請け負ったり、資材を供給したりすることで、効率的な建築プロセスを実現しています。
- 不動産賃貸事業売上1兆1,646.72億円、営業利益803.24億円。大東建託グループの最大の稼ぎ頭であり、オーナーから賃貸建物を一括で借り上げ、入居者に転貸する「一括借上」が中心です。入居者の仲介斡旋や保証人受託、自社保有物件の賃貸なども含み、安定したストック収益を確保しています。
- 不動産開発事業売上513.29億円、営業利益51.51億円。物流施設、ホテル、マンションなどの開発・販売を手掛ける事業です。国内外のグループ会社が、収益不動産の買取・リノベーション・再販や、不動産ファンドの管理・運営なども行い、多様な不動産開発を通じて収益機会を拡大しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Construction | 事業 | 5,410 | 471 | 8.7% |
| RealEstateLeaseBusinessReportableSegment | 地域 | 11,647 | 803 | 6.9% |
| RealEstateDevelopmentBusinessReportableSegment | 地域 | 513 | 52 | 10.0% |
| Finance | 事業 | 122 | 67 | 54.9% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社71社、関連会社5社で構成され、建物賃貸事業によって土地活用を考える土地所有者に対し、建物賃貸事業の企画・建築・不動産の仲介・不動産管理までを総合的に提供するとともに、関連事業にも積極的に取り組んでいます。なお、当社グループの各事業における当社及び関係会社の位置づけは次のとおりであり、セグメントと同一の区分です。建設事業…………………当社は、土地の有効活用に関する企画を提案するとともに建築請負契約を締結し、設計及び施工を行っています。大東建設株式会社は、当社が施工する建築工事の一部の請負を行っています。大東スチール株式会社は、当社の建築工事に要する資材の一部を供給しています。DAITO CANADA TRADING INC.は、カナダの現地製材所と連携し、安定的に適正価格で木材調達を行い、当社に供給しています。株式会社シマは、関西圏・首都圏を中心に公営住宅や民間物流施設等の施工を行っています。 不動産賃貸事業一括借上…………大東建託パートナーズ株式会社は、「賃貸経営受託システム」において、家主と一括借上契約を締結し、また、入居者と転貸借契約を締結し、一括借上事業を行っています。不動産の仲介…………大東建託リーシング株式会社、ハウスコムグループ及び良部屋商務咨詢(上海)有限公司は、賃貸建物に対し入居者の仲介斡旋を行っています。不動産の賃貸…………大東建託株式会社が保有しているオフィスビル等の一部を、テナントに対し賃貸しています。 保証人の受託…………ハウスリーブ株式会社は、賃貸建物入居者の保証人受託等の事業を行っています。 不動産プラットフォーム………株式会社キマルームは、不動産業務の総合デジタルプラットフォームの企画・開発・販売・運営を行っています。 不動産開発事業…………当社は、物流施設、ホテルの開発・販売を行っています。株式会社インヴァランスは、東京23区を中心に資産運用型マンションの開発・販売をしています。大東建託アセットソリューション株式会社は、収益不動産の買取リノベ再販・開発販売を行っています。DK Realty Management America,Inc.は、アメリカにおける不動産管理・仲介事業を行っています。Amethyst Investment,LLC.は、アメリカにおける収益不動産の買取リノベ再販を行っています。株式会社アスコット及び同社の子会社は、都心エリアを中心にマンション、オフィス、商業施設、物流施設等の開発・販売をしています。大東建託インベストメント・マネジメント株式会社は、不動産ファンドの管理・運営を行っています。KME PROP REAL ESTATE,LLC.は、ドバイにおける収益不動産の開発販売を行う予定です。 金融事業…………………大東ファイナンス株式会社は、建築資金融資(金融機関から長期融資が実行されるまでのつなぎ融資及び長期融資の2次融資)等を行っています。大東みらい信託株式会社は、不動産管理信託を中心とする信託業務及び資産承継・資産管理に関するコンサルティング業務を行っています。少額短期保険ハウスガード株式会社は、家主及び賃貸入居者向けの火災保険を販売しています。ハウスリーブ株式会社(ハウスペイメント㈱はハウスリーブ㈱に吸収合併されました)は、賃貸不動産専用のクレジットカード決済代行業務を行っています。D.T.C. REINSURANCE LIMITEDは、大東建託リーシング株式会社及びハウスコムグループを代理店とする賃貸アパート・賃貸マンションの入居者に対する火災保険等の再保険会社です。 その他事業………………1)株式会社ガスパル及び地域子会社は、燃料(LPガス等)の販売等を行っています。 2)ケアパートナー株式会社は、デイサービスセンター及び住宅型有料老人ホーム、保育施設の運営、訪問介護・看護サービス等を行っています。 3)大東コーポレートサービス株式会社は、障害者雇用促進法に基づき設立された特例子会社であり、当社グループからの事務作業の受託及びシェアードサービス等を行っています。 4)DAITO ASIA DEVELOPMENT PTE.LTD.は、海外ホテル事業の運営を行っている会社に対し出資及び資金融資を行っています。 5)DAITO ASIA DEVELOPMENT (MALAYSIA) SDN.BHD.及びDAITO ASIA DEVELOPMENT (MALAYSIA) Ⅱ SDN.BHD.は、マレーシアのクアラルンプールにおけるホテル事業を行っています。 6)DAITO KENTAKU USA,LLC.は、米国における不動産投資事業を行っています。 7)大東バイオエナジー株式会社、株式会社一戸フォレストパワー及び株式会社一戸森林資源は、自然エネルギー等による発電事業及びその管理・運営並びに電気の販売等に関する事業を行っています。 事業の系統図は、次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料費等の高騰による原価上昇、利益率低下の可能性をリスクとして認識 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業許可、建築士事務所登録及び宅地建物取引業免許等の許認可が必要 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原材料費等の高騰による原価上昇、利益率低下 / 税制改正による業績への影響 / 金利の急上昇による受注キャンセル
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
大東建託は「DK SELECT」などのブランド力を持つが、不動産開発・賃貸業という性質上、強力な無形資産とは言えない。しかし、長年の実績と信頼は一定のブランド価値を生み出している。
スイッチングコスト★★★★☆
賃貸物件の入居者にとって、引っ越しは手間や費用がかかるため、現在の住居に留まるインセンティブが働く。また、オーナーにとっても、管理委託契約の変更は煩雑であり、スイッチングコストは高い。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
入居者間のネットワーク効果は限定的。オーナーと大東建託の間のネットワーク効果も、個別の契約に依存するため、強力なものではない。
コスト優位★☆☆☆☆
土地の仕入れや建設コストは、市場の変動に影響されやすく、コスト優位性を確立することは難しい。規模の経済によるコスト削減効果は限定的。
規模の経済★★★★☆
全国に約300万戸の管理戸数を持ち、賃貸仲介店舗数も多数展開。これにより、物件の安定的な稼働率維持や、入居者募集における優位性を確立している。スケールメリットは大きい。
- 一貫したサービス提供体制土地活用提案から建物の設計・施工、入居者募集、管理まで、賃貸経営に必要な全てのプロセスをグループ内で一貫して提供できる点が強みです。これにより、オーナーは複数の業者とやり取りする手間が省け、安心して賃貸経営を任せることができます。
- 高い入居率を維持する管理力大東建託パートナーズによる「賃貸経営受託システム」では、家主から一括で建物を借り上げ、入居者との転貸借契約を結ぶことで、オーナーは空室リスクを気にせず安定した家賃収入を得られます。高いマーケティング力と入居斡旋力により、高水準の入居率を維持している点が競争優位性となっています。
- 多様な事業展開とグループ連携建設、不動産賃貸、不動産開発、金融、介護など多岐にわたる事業をグループ各社が連携して展開しています。これにより、市場の変化や顧客ニーズに柔軟に対応できるだけでなく、各事業で得たノウハウや顧客基盤を相互に活用し、新たな事業機会を創出できる可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- パーパス「託すをつなぎ、未来をひらく。」大東建託グループは、オーナーや入居者の想いを未来へとつなぐことを存在価値とし、このパーパスを掲げています。100年企業を目指し、2030年のありたい姿として「DAITO Group VISION 2030」を策定し、社会課題解決と持続的成長を目指しています。
- 中期経営計画「グループ一丸 新たな挑戦」2024年度から2026年度の中期経営計画では、「人的資本経営の推進」「強固なコア事業の確立」「新たな注力分野への対応」を重要テーマとしています。人的資本経営を基盤に、建設事業と不動産賃貸事業の収益力強化、不動産開発事業などの成長領域拡大に取り組み、企業価値の最大化を目指します。
- セグメント別戦略とグローバル展開建設事業では都市部への販売シフトや環境配慮型賃貸住宅の供給、不動産賃貸事業では高水準の入居率維持と売買仲介事業の強化を図ります。不動産開発事業では、グループ会社の開発力を活かし、多様な物件タイプへの注力と収益スキーム拡大、北米を起点とした海外展開で「管理戸数世界一」を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 経営基本方針私たち大東建託グループは、これまでオーナー様や入居者様の人生に寄り添い、想いを託され、従業員が一丸となってその実現に取り組んでまいりました。そして、これからも、託された想いを次の世代、未来へとつないでいくことが、当社グループの存在価値であると考え、グループパーパス「託すをつなぎ、未来をひらく。」を策定しました。このパーパスのもと、100年企業へと歩みを進めるため、2030年のありたい姿である「DAITO Group VISION 2030」を掲げています。「DAITO Group VISION 2030」では、コア事業の領域拡大に加え、コア周辺事業との有機的な連携を通じて、高齢化や過疎化、災害不安等の社会課題の解決に取り組むことを目指しています。ステークホルダーの皆さまからの信頼と期待に応えながら、次の50年、100年も社会に必要とされる企業であり続けるため、変革と挑戦を重ね、持続的な成長を実現してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、「ROE(自己資本当期純利益率)20%」の達成を重要な経営指標として定めています。当期においては、ROE20.5%となり目標とする経営指標を達成しました。 (3) 経営環境と対処すべき課題当連結会計年度における国内経済は、賃上げの進展等による個人消費の下支えに加え、設備投資や雇用環境の持ち直しがみられるなど、全体として底堅く推移しました。一方で、金利上昇や円安の進行に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給や資材価格動向への懸念など、国内外の事業環境には不確実性が残りました。新設住宅着工戸数は、2025年4月から2026年3月までの累計で711,171戸(前年同期比12.9%減)、当社グループの主要市場である賃貸住宅着工戸数も308,906戸(前年同期比13.5%減)と低調に推移しました。このような事業環境のもと、当社は、2030年に向けた前半期間にあたる中期経営計画(2024年度から2026年度)において、「グループ一丸 新たな挑戦」を基本方針として掲げ、計画の一丁目一番地と位置付ける人的資本経営(働きやすさと働きがいの両立)の推進を起点として、建設事業における受注確保と収益性の向上、不動産賃貸事業におけるストック収益の拡大と入居率の維持向上、さらに注力分野である不動産開発事業の強化・拡大に取り組みました。 (4) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、「DAITO Group VISION 2030」実現に向けたロードマップの第一フェーズとして、2024年度から2026年度を対象期間とする中期経営計画を推進しています。2030年に向け、「グループ一丸 新たな挑戦」をスローガンに掲げ、企業価値の最大化に取り組んでいます。本中期経営計画では、「人的資本経営の推進」「強固なコア事業の確立」「新たな注力分野への対応」の3つを重要テーマとしています。人的資本経営を基盤に、建設事業及び不動産賃貸事業における収益力の強化を図るとともに、不動産開発事業をはじめとする成長領域の拡大に取り組んでいます。また、最終年度である2026年度の計画については、売上高2兆500億円、営業利益1,420億円、ROE20%以上を目標としています。引き続きパーパスに基づく考動を実践し、グループ全社員の力を最大化することで、「DAITO Group VISION 2030」の実現に向けて取り組んでまいります。 セグメント別の中長期的な経営戦略は以下のとおりです。① 建設事業建設事業では、建築費や金利の上昇に対応するため、高い家賃設定が可能な都市部への販売エリアのシフトや、金融機関・税理士等からの紹介による富裕層向け営業の強化を継続してまいります。また、木造CLT造やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの環境配慮型賃貸住宅の供給にも引き続き積極的に取り組んでまいります。 ② 不動産賃貸事業不動産賃貸事業では、高いマーケティング力と入居斡旋力を背景に、高水準の入居率を維持しつつ、入居者様のライフスタイルに合わせた良質な住空間と暮らしのサービスを引き続き提供いたします。また、仲介事業では、これまでの主力である賃貸仲介事業に加えて売買仲介事業の強化にも取り組み、売上の拡大を図ってまいります。 ③ 不動産開発事業不動産開発事業では、株式会社インヴァランスや大東建託アセットソリューション株式会社、株式会社アスコット及び同社の子会社など、首都圏を中心にマンション開発や土地仕入れに強みを持つデベロッパーをグループに迎え入れ、商業施設やアパートメントホテル、物流施設など、取り扱う物件タイプの多様化を進めてまいりました。今後は各社の開発力を活かしながら、資産効率の高いアセットタイプへの注力を進めるとともに、さらなる収益スキームの拡大に取り組んでまいります。また、北米を起点に海外での不動産管理・販売を展開し、「管理戸数世界一」を目指してグローバル展開を推進してまいります。 ④ その他の事業(金融事業+その他事業)その他の事業では、既存のエネルギー事業や介護・保育事業の安定成長に加え、新たにグループ会社のケアパートナー株式会社が運営を行う住宅型有料老人ホーム事業へ参入し、事業所の新規開設を進めています。短期的には、新規開設に伴う費用が先行して発生するものの、中長期的には、高齢化といった社会課題の解決に貢献するとともに、安定的な収益基盤の拡大につながるものと考えています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 経営基本方針私たち大東建託グループは、これまでオーナー様や入居者様の人生に寄り添い、想いを託され、従業員が一丸となってその実現に取り組んでまいりました。そして、これからも、託された想いを次の世代、未来へとつないでいくことが、当社グループの存在価値であると考え、グループパーパス「託すをつなぎ、未来をひらく。」を策定しました。このパーパスのもと、100年企業へと歩みを進めるため、2030年のありたい姿である「DAITO Group VISION 2030」を掲げています。「DAITO Group VISION 2030」では、コア事業の領域拡大に加え、コア周辺事業との有機的な連携を通じて、高齢化や過疎化、災害不安等の社会課題の解決に取り組むことを目指しています。ステークホルダーの皆さまからの信頼と期待に応えながら、次の50年、100年も社会に必要とされる企業であり続けるため、変革と挑戦を重ね、持続的な成長を実現してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、「ROE(自己資本当期純利益率)20%」の達成を重要な経営指標として定めています。当期においては、ROE20.5%となり目標とする経営指標を達成しました。 (3) 経営環境と対処すべき課題当連結会計年度における国内経済は、賃上げの進展等による個人消費の下支えに加え、設備投資や雇用環境の持ち直しがみられるなど、全体として底堅く推移しました。一方で、金利上昇や円安の進行に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給や資材価格動向への懸念など、国内外の事業環境には不確実性が残りました。新設住宅着工戸数は、2025年4月から2026年3月までの累計で711,171戸(前年同期比12.9%減)、当社グループの主要市場である賃貸住宅着工戸数も308,906戸(前年同期比13.5%減)と低調に推移しました。このような事業環境のもと、当社は、2030年に向けた前半期間にあたる中期経営計画(2024年度から2026年度)において、「グループ一丸 新たな挑戦」を基本方針として掲げ、計画の一丁目一番地と位置付ける人的資本経営(働きやすさと働きがいの両立)の推進を起点として、建設事業における受注確保と収益性の向上、不動産賃貸事業におけるストック収益の拡大と入居率の維持向上、さらに注力分野である不動産開発事業の強化・拡大に取り組みました。 (4) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、「DAITO Group VISION 2030」実現に向けたロードマップの第一フェーズとして、2024年度から2026年度を対象期間とする中期経営計画を推進しています。2030年に向け、「グループ一丸 新たな挑戦」をスローガンに掲げ、企業価値の最大化に取り組んでいます。本中期経営計画では、「人的資本経営の推進」「強固なコア事業の確立」「新たな注力分野への対応」の3つを重要テーマとしています。人的資本経営を基盤に、建設事業及び不動産賃貸事業における収益力の強化を図るとともに、不動産開発事業をはじめとする成長領域の拡大に取り組んでいます。また、最終年度である2026年度の計画については、売上高2兆500億円、営業利益1,420億円、ROE20%以上を目標としています。引き続きパーパスに基づく考動を実践し、グループ全社員の力を最大化することで、「DAITO Group VISION 2030」の実現に向けて取り組んでまいります。 セグメント別の中長期的な経営戦略は以下のとおりです。① 建設事業建設事業では、建築費や金利の上昇に対応するため、高い家賃設定が可能な都市部への販売エリアのシフトや、金融機関・税理士等からの紹介による富裕層向け営業の強化を継続してまいります。また、木造CLT造やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの環境配慮型賃貸住宅の供給にも引き続き積極的に取り組んでまいります。 ② 不動産賃貸事業不動産賃貸事業では、高いマーケティング力と入居斡旋力を背景に、高水準の入居率を維持しつつ、入居者様のライフスタイルに合わせた良質な住空間と暮らしのサービスを引き続き提供いたします。また、仲介事業では、これまでの主力である賃貸仲介事業に加えて売買仲介事業の強化にも取り組み、売上の拡大を図ってまいります。 ③ 不動産開発事業不動産開発事業では、株式会社インヴァランスや大東建託アセットソリューション株式会社、株式会社アスコット及び同社の子会社など、首都圏を中心にマンション開発や土地仕入れに強みを持つデベロッパーをグループに迎え入れ、商業施設やアパートメントホテル、物流施設など、取り扱う物件タイプの多様化を進めてまいりました。今後は各社の開発力を活かしながら、資産効率の高いアセットタイプへの注力を進めるとともに、さらなる収益スキームの拡大に取り組んでまいります。また、北米を起点に海外での不動産管理・販売を展開し、「管理戸数世界一」を目指してグローバル展開を推進してまいります。 ④ その他の事業(金融事業+その他事業)その他の事業では、既存のエネルギー事業や介護・保育事業の安定成長に加え、新たにグループ会社のケアパートナー株式会社が運営を行う住宅型有料老人ホーム事業へ参入し、事業所の新規開設を進めています。短期的には、新規開設に伴う費用が先行して発生するものの、中長期的には、高齢化といった社会課題の解決に貢献するとともに、安定的な収益基盤の拡大につながるものと考えています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績当連結会計年度における国内経済は、賃上げの進展等による個人消費の下支えに加え、設備投資や雇用環境の持ち直しがみられるなど、全体として底堅く推移しました。一方で、金利上昇や円安の進行に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給や資材価格動向への懸念など、内外の事業環境には不確実性が残りました。新設住宅着工戸数は、2025年4月~2026年3月累計(直近公表ベース)で711,171戸(前年同期比12.9%減)、当社グループの主要市場である賃貸住宅着工戸数も308,906戸(前年同期比13.5%減)と低調に推移しました。このような事業環境のもと、当社グループは、2030年を見据えた長期ビジョン“DAITO Group VISION 2030”「まちの活性化・地方創生」の実現に向けて、中期経営計画(2024年度~2026年度)の基本方針である「グループ一丸 新たな挑戦」のもと、計画の一丁目一番地と位置付ける人的資本経営(働きやすさと働きがいの両立)の推進を起点として、建設事業における受注確保と収益性の向上、不動産賃貸事業におけるストック収益の拡大と入居率の維持向上、さらに注力分野である不動産開発事業の強化・拡大に取り組みました。 (当期の概況)当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高1兆9,847億43百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益1,352億56百万円(前年同期比13.8%増)、経常利益1,391億69百万円(前年同期比7.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益990億30百万円(前年同期比5.5%増)となりました。売上高は、前連結会計年度に比べ1,423億85百万円(7.7%)増加し、1兆9,847億43百万円となりました。これは主に、工事が順調に進捗したこと等により完成工事高が33億8百万円(0.6%)増加し、一括借上物件の増加等に伴い不動産賃貸事業売上高が384億19百万円(3.3%)増加し、投資用マンションや買取再販事業が好調に推移したことなどにより不動産開発事業売上高が957億54百万円(186.5%)増加したことによるものです。売上総利益は、前連結会計年度に比べ311億95百万円(9.9%)増加し、3,470億51百万円となりました。これは主に、完成工事高の増加等により、完成工事総利益が13億46百万円(1.0%)増加し、一括借上物件の増加等により不動産賃貸事業総利益が78億28百万円(5.9%)増加し、不動産開発事業売上高の増加等により不動産開発事業総利益が205億60百万円(174.7%)増加したことによるものです。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ148億13百万円(7.5%)増加し、2,117億95百万円となりました。これは主に人件費が81億64百万円、支払手数料が12億49百万円、控除対象外消費税額等が12億38百万円、減価償却費が11億73百万円、それぞれ増加したこと等によるものです。この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ163億81百万円(13.8%)増加し、1,352億56百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ97億13百万円(7.5%)増加し、1,391億69百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。① 建設事業建設事業につきましては、工事が順調に進捗したこと等により、完成工事高は5,442億83百万円(前年同期比0.6%増)、完成工事総利益は1,381億87百万円(前年同期比1.0%増)、また、完成工事総利益率は前年同期比0.1ポイント上昇の25.4%となる一方で、人件費等の高騰により営業利益は451億48百万円(前年同期比4.2%減)となりました。建物種別の完成工事高及び次期繰越工事高は、次のとおりです。建物種別完成工事高次期繰越工事高前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)当連結会計年度末(2026年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%) 建設事業 居住用510,37394.3503,28992.4716,63392.4 賃貸住宅508,27694.0501,08892.0713,09691.9 戸建住宅2,0960.42,2000.43,5360.5事業用20,7073.820,5523.813,2361.7その他9,8941.820,4413.845,8865.9小計540,975100.0544,283100.0775,755100.0 不動産賃貸事業 営繕工事35,328-35,378-7,879-合計576,303-579,662-783,634- (注)前事業年度及び当事業年度において完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。受注工事高は、建築費高騰及び入居斡旋状況を踏まえた販売エリアの適正化により、前年同期比4.4%減の5,705億14百万円となり、2026年3月末の受注工事残高は、前年同期比2.3%減の7,836億34百万円となりました。 受注実績は、次のとおりです。建物種別前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)(百万円)前期比(%)建設事業 居住用514,069481,328△6.4 賃貸住宅511,926478,662△6.5 戸建住宅2,1422,66624.4事業用20,52918,282△10.9その他26,27936,96640.7小計560,877536,578△4.3不動産賃貸事業 営繕工事36,03233,936△5.8合計596,910570,514△4.4 (注)当社グループでは、建設事業及び不動産賃貸事業の一部以外は受注生産を行っていません。 生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していません。 ② 不動産賃貸事業不動産賃貸事業につきましては、「賃貸経営受託システム」による一括借上物件の増加や高水準の入居率を背景に、一括借上を行う大東建託パートナーズ株式会社の家賃収入が増加したこと等により、不動産賃貸事業売上高は1兆2,030億91百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は855億54百万円(前年同期比6.5%増)となりました。不動産賃貸事業の売上実績の内訳は、次のとおりです。区分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)増減率(%)一括借上1,036,98589.01,065,41088.628,4242.7営繕工事35,3283.035,3782.9500.1不動産仲介21,2301.821,4021.81720.8家賃保証事業21,0171.821,7681.87513.6電力事業10,6760.912,1841.01,50714.1賃貸事業5,5370.56,2340.569712.6その他33,8962.940,7113.46,81820.1計1,164,672100.01,203,091100.038,4193.3 管理戸数は、前期比2.2%増の1,351,329戸となりました。入居者斡旋件数(注1)は、前年同期比0.1%増の345,229件、2026年3月の家賃ベース入居率(注2)は、居住用で前年同月比0.2ポイント上昇の98.0%、事業用で前年同月比同水準の99.4%となりました。(注)1.大東建託リーシング㈱、大東建託パートナーズ㈱の合計件数(他社管理物件含む)2.家賃ベース入居率=1-(空室物件の借上家賃支払額/家賃総額) ③ 不動産開発事業不動産開発事業につきましては、株式会社アスコットの連結子会社化による影響に加え、収益不動産(開発販売)の販売棟数増加などにより、不動産開発事業売上高は1,470億83百万円(前年同期比186.5%増)、営業利益は185億35百万円(前年同期比259.8%増)となりました。不動産開発事業の売上実績の内訳は、次のとおりです。(単位:百万円)区分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)増減率(%)投資マンション(注1)27,67054.048,68233.121,01275.9収益不動産(買取再販)(注1)10,47920.433,69922.923,220221.6収益不動産(開発販売)(注1)13,16425.650,83034.637,666286.1その他 (注1)15013,8719.413,85688,838.0計51,329100.0147,083100.095,754186.5 (注)1.不動産開発事業の売上高明細の集計区分の見直しにより、当連結会計年度から集計方法を変更しています。この変更に伴い、2025年3月期の数値にも見直しを反映しています。 ④ 金融事業金融事業につきましては、少額短期保険ハウスガード株式会社の保険料収入の増加により、金融事業売上高は128億8百万円(前年同期比5.1%増)となりました。一方、調達金利の上昇が利益を圧迫したことから、営業利益は63億86百万円(前年同期比4.5%減)となりました。 ⑤ その他その他の事業につきましては、ガス供給事業における延べ稼働メーター数の増加や介護事業におけるデイサービス利用者数の増加により、その他の事業売上高は774億75百万円(前年同期比5.8%増)となりました。一方、ガス供給事業及び介護事業における人員増加に伴いコストが増加したことから、営業利益は131億33百万円(前年同期比0.5%減)となりました。 (2) 財政状態 ① 総資産当連結会計年度末の総資産は、前期末比1,455億10百万円増加して1兆3,675億2百万円となりました。これは主に、現金預金391億55百万円、販売用不動産485億46百万円、仕掛販売用不動産327億65百万円及び完成工事未収入金等126億8百万円が増加したことによるものです。セグメントごとの資産は、次のとおりです。1)建設事業建設事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ102億32百万円増加し、1,232億23百万円となりました。これは主に、完成工事未収入金等の増加によるものです。2)不動産賃貸事業不動産賃貸事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ19億31百万円増加し、3,860億84百万円となりました。これは主に、太陽光発電設備の新規設置による機械及び装置の増加によるものです。3)不動産開発事業不動産開発事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ998億65百万円増加し、3,257億25百万円となりました。これは主に、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の増加によるものです。4)金融事業金融事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ492億62百万円増加し、2,258億30百万円となりました。これは主に、大東ファイナンス株式会社による貸付金の増加によるものです。5)その他その他事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ59億52百万円増加し、1,462億30百万円となりました。これは主に、建物・構築物(純額)の増加によるものです。 ② 負債当連結会計年度末の負債は、前期末比1,162億76百万円増加の8,709億3百万円となりました。これは主に、長期借入金1,259億28百万円が増加した一方、1年内返済予定の長期借入金202億52百万円が減少したことによるものです。 ③ 純資産当連結会計年度末の純資産は、前期末比292億33百万円増加して4,965億98百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により990億30百万円増加した一方、剰余金の配当により512億30百万円減少したことによるものと、自己株式の取得等により221億41百万円が減少したことによるものです。この結果、自己資本比率は前期末比1.9ポイント減少して36.5%となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度において現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加404億90百万円、投資活動による資金の減少417億2百万円、財務活動による資金の増加372億19百万円等により、前連結会計年度末比345億46百万円増加しました。この結果、当連結会計年度末の残高は2,581億20百万円となりました。① 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において営業活動による資金の増加は404億90百万円(前連結会計年度は856億12百万円の増加)となりました。これは、主に販売用不動産及び仕掛販売用不動産を取得した一方、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものです。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において投資活動による資金の減少は417億2百万円(前連結会計年度は465億5百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産や無形固定資産の取得によるものです。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において財務活動による資金の増加は372億19百万円(前連結会計年度は458億39百万円の減少)となりました。これは、主に株主配当金の支払いを行った一方、販売用不動産や仕掛販売用不動産の取得等のために、借入金による資金調達を行ったことによるものです。 (キャッシュ・フロー関連指標の推移) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)36.538.237.638.436.5時価ベースの自己資本比率(%)88.184.8105.583.087.6キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.81.10.91.55.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)277.8194.4218.4142.312.2 (注)1.自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い2.いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。4.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としています。また利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
事業リスク
- 原材料・資材の調達リスク建設事業において、世界情勢の不安定化や為替変動、インフレ、人手不足などにより、原材料や資材の価格が高騰したり、調達が遅れたりする可能性があります。これにより、建設コストが増加し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。カナダでの木材調達会社設立や複数ルート確保で対策しています。
- 税制改正・金利上昇のリスク不動産賃貸事業に関連する固定資産税、相続税、所得税などの税制が改正され、税負担が増加した場合、土地活用の需要が減少し、受注高が変動する可能性があります。また、金利が急上昇すると、お客様の建設資金調達コストが増え、投資判断に影響を与え、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 不動産開発事業の拡大リスク中長期的な成長戦略として不動産開発事業を国内外で拡大していますが、開発期間の長期化や市況変動により、想定を超える開発コストやプロジェクトの遅延が発生する可能性があります。投資規模の拡大に伴い、財務バランスの変動や資金負担の増加、信用リスクの管理が重要となり、業績や財政状態に影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】(1)リスク管理の体制について当社は「当社グループの事業を取り巻く様々なリスクに対する管理意識の浸透と、リスクの顕在化、早期発見・対処等の的確な管理・実践」を目的に「リスク管理規程」を制定し、リスク管理の最高責任者を代表取締役社長執行役員CEOとした管理体制を構築しています。各リスクのうち、「戦略リスク」については取締役会等の会議体で議論し、「オペレーショナルリスク」については取締役会の諮問機関であるリスクマネジメント委員会(委員長:代表取締役社長執行役員CEO)でモニタリングし、定期的に取締役会に報告の上、助言・指導・監督を受けています。リスクマネジメント委員会では、「発生頻度×影響度」から重点管理リスクを選定し、各リスクの責任者(統括部長等)を明確にして対策を講じ、毎月重要リスク指標(KRI)をモニタリングしています。これらの結果については、四半期に1回開催されるリスクマネジメント委員会で議論し、各リスクへの対策強化や予兆レベルでの対処等を指示・監督しています。グループ各社のリスクについては、リスクカタログから識別したリスクと固有のリスクをモニタリングし、定期的にリスクマネジメント委員会へ報告するグループ横断的な体制を構築しています。これらの活動は取締役会に報告するとともに、内部監査部門、監査等委員会による監査を受ける体制としています。 当社グループの経営または事業活動に大きな影響を与える可能性があるリスクが顕在化した場合は、「危機管理基本マニュアル」に則り、社内イントラネットにより関係者へ第一報を周知し、事象の影響度によって、対応チームを組織して適切に対処する体制を構築しています。また、当社グループの事業を取り巻く様々なリスクを早期に発見・是正する仕組みとして、グループ共通で利用できる内部通報窓口を設置して、経営トップから積極的な利用を直接従業員に発信しています。 (2)主要なリスクについて有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項の内、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものです。 ≪戦略リスク≫①原材料・資材の調達に関するリスク<リスクシナリオ>当社は建設事業において、原材料・資材を国内外から調達しています。そのため、世界情勢の不安定化、為替の大幅な変動、国内外のインフレ、建設・物流分野における人材不足等により、原材料・資材の高騰や調達の遅れが発生し業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社では、建設資材の調達に関し、以下の項目に取り組み、原価抑制に努めています。a.カナダに木材調達会社を設立し、現地情報を活用して調達先の拡大を進めるとともに、資材費や輸送費の抑制に取り組んでいます。b.サプライヤーと連携し、施工費や物流費の抑制につながる資材の共同開発を行うほか、情報共有や集約発注による計画生産を推進し、資材生産効率化による価格抑制に努めています。c.複数の調達ルートを確保することでサプライヤーに負担の少ない購買体制を構築し、物流費の抑制を図っています。d.主要資材については、需要変動や突発的な供給制約を踏まえた適正在庫の確保や安全在庫の設定を行い、調達遅延が発生した場合においても、工事進捗への影響を最小限に抑える体制を整えています。e.調達リードタイムや物流状況を継続的にモニタリングし、遅延の兆候を早期に把握することで、代替資材の検討や調達計画の見直し等の是正対応を迅速に実施できる体制を構築しています。 ②税制改正に関するリスク<リスクシナリオ>現行税制において、不動産賃貸事業は土地活用の有効な手段と認識されていますが、固定資産税・相続税・所得税などの関連する税制が改正され税負担が増加した場合、受注高が変動し業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社では、税制改正に関する最新情報を継続的に収集・分析し、改正内容に応じた施策を講じる体制を構築しています。また、税制改正によるお客様への影響を軽減するため、建物の商品価値及び付加価値の向上に努め、高い入居率と収益性を確保することで、オーナー様及び入居者様双方の需要を喚起し、不動産賃貸事業の魅力が損なわれないようリスク低減に取り組んでいます。 ③金利急上昇に関するリスク<リスクシナリオ>当社の建設事業において、多くのお客様は建設資金を金融機関からの借入金により調達しています。金利水準はお客様の投資判断における重要な要素であり、経済情勢や金融政策の変更等により金利が急激に上昇した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社では、金利変動による影響を最小化するため、金融機関との連携を強化しています。融資申し込みから実行までの支援を行うことで、発注から事業資金確保(金利確定)までの期間短縮を図っています。また、商談段階において、将来的な金利上昇リスクを考慮した厳格な事業収支シミュレーションを提示し、お客様にリスクを十分に認識いただくことで、発注後のキャンセル防止に努めています。 ④法施行・法改正に関するリスク<リスクシナリオ>当社グループの事業に関係する各種法令(建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、その他労働関係法令や環境関連法令等)に関し、改正や新たな規制が設けられた場合、当該法令等に対応するための経費が追加的に発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社グループにおいては、事業に関係する法令の改正や新設に関する情報について、各専門部門において主務官庁や業界団体等から発信される情報を常にモニタリングして収集し、当社グループの関連部門と情報を共有して対応しています。また、改正・新設された法令が施行されるまでの間に、全社的な影響を分析して予算化し、関連部門が連携して、事業への影響の評価と対応に必要な概算費用の算出を行い、次年度以降の予算計画に組み込むよう努めています。 ⑤気候変動に関するリスク<リスクシナリオ>当社グループは、気候変動が事業活動に与えるリスクを重要な課題・機会と認識し対応を進めていますが、想定レベルを超える気候危機や、法改正・新たな法令の施行により業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社グループでは、TCFD提言に基づくシナリオ分析の継続や法令・規制動向のモニタリング強化を通じて、気候変動リスクへの適切な対応ならびに気候変動に伴う事業機会の積極的な活用に取り組んでいます。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方と取組 (2) 気候変動・自然資本に関する取り組み」に記載しています。 ⑥不動産開発事業の拡大に伴うリスク<リスクシナリオ>当社グループでは、中長期的な事業拡大の戦略として不動産開発事業に重点を置き、国内外で事業を展開しています。不動産開発事業の拡大にあたっては、開発期間の長期化や市況変動により、想定を超える開発コストの発生、プロジェクトの遅延等が生じる可能性があります。また、投資規模の拡大や資金回収までの期間が長期化することにより、財務バランスの変動や資金負担の増加や、信用リスクの管理が重要となる場合があり、これらが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社グループでは、不動産開発関連投資の実行にあたり、エリア、投資額、採算性等を検証する投資基準を設け、これに基づき会議体において事業性や想定されるリスクを審議しています。また、案件の規模に応じた投資枠の設定や出口戦略の策定を通じて、適切な事業資金管理とリスクマネジメントを行っています。加えて、事業進捗や資金状況を継続的に把握し、市況や事業環境の変化に応じて投資計画や資金配分の見直しを行うことで、財務バランスの維持及び信用リスクの低減に努めています。海外事業においては、現地専門家との連携やローカルパートナーの知見を活用し、法令遵守とリスク管理を強化しています。 ⑦空室増加に関するリスク<リスクシナリオ>当社グループが管理する賃貸建物において、今後の人口動態や経済状況、賃貸市場環境の変化により、特定エリアで需要が著しく減少した場合、空室の増加に伴い賃料が下落する可能性があります。また、当社グループが管理する賃貸建物の大半はサブリース契約を締結しているため、賃料下落により当社グループの収入は減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社グループでは、空室リスクを低減するため、市場動向や周辺賃料相場の分析を継続的に行い、募集賃料の適正化や仲介会社との連携強化に努めるとともに、競争力維持の観点から、定期的な設備更新やリフォームに取り組んでいます。さらには長期的な人口動態や社会ニーズの変化といった外部環境の動向を踏まえ、将来の需要を想定した供給計画を策定することで、中長期的な空室リスクへの対応を行っています。 ≪オペレーショナルリスク≫⑧情報セキュリティに関するリスク<リスクシナリオ>近年、標的型攻撃やランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、企業や自治体を狙った情報窃取や身代金要求、業務システムの停止などの被害が増加しています。当社グループにおいても、外部からのサイバー攻撃による情報漏洩リスクに加え、誤操作や不正行為などによる内部からの情報流出リスクが存在しています。これらのリスクが顕在化した場合、機密情報や個人情報の漏洩を招き、事業継続への支障や社会的信用の失墜といった重大な影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社グループでは、様々な情報セキュリティ対策を複層的に講じるとともに、侵害発生時の速やかな復旧及び事業継続を目指した対策を行っています。a.不正サイト・外部メール・マルウェアの監視・遮断などのネットワーク対策b.端末暗号化、USB制限、多要素認証などによる端末管理と認証強化c.ISO27001の維持や外部診断、バックアップ体制などのセキュリティ・BCP整備d.従業員教育やフィッシングメール訓練、責任者設置、サプライチェーンへの教育徹底などの人的・組織的管理 ⑨自然災害に関するリスク<リスクシナリオ>地震、火山噴火、台風、水害などの大規模自然災害が発生した場合、従業員や建築現場、事業所、情報設備への直接的な被害に加え、通信ネットワークや物流の遮断による間接的な被害を受ける可能性があります。また、被害を受けたお客様の建物の点検・修繕や、被災地域への支援活動により、多額の費用が発生する可能性があります。さらに、被災地域で社会インフラが大規模に損壊し、生産・流通活動が長期間停止した場合、建築資材や部材の供給が途絶えることがあります。加えて、多数の社員が被災し勤務できなくなることで、契約締結、工事着工・進捗、入居者斡旋活動等が滞り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社グループでは、「グループ防災ビジョン2030」を策定し、事業継続のための自助と、被災地域への支援を行う共助の行動方針を定めています。大規模自然災害等により事業継続に影響を及ぼす緊急事態が発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)に関する規程・マニュアルを策定し、手順と体制を整備しています。さらに、BCPを確実に実行するため、経営層・事業部・全従業員を対象とした訓練を毎年実施し、緊急時の対応力を強化しています。また、従業員が事業所で避難する場合に備え、全事業所に災害備蓄食、衛生用品、モバイルバッテリーなどの備蓄品を保管しています。加えて、本社・事業所での業務継続が困難な場合に備え、テレワーク環境を活用した業務継続をBCPに定め、出社とテレワークを併用したハイブリッドな働き方を継続しています。 ⑩品質管理等に関するリスク<リスクシナリオ>当社グループでは、設計・工事・工事監理と連携し、品質管理には万全を期すとともに、建物完成後もメンテナンスの専門部門によるアフターサービス点検等を実施し、長期保証を提供しています。しかしながら、予期せぬ要因により重大な品質問題が発生した場合、レピュテーションの著しい低下により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社の賃貸建物は、全国で統一された品質が得られるよう、決定された仕様、設計基準等により商品開発され、これをもとに各支店の設計課が地域特性に応じた設計を行っています。また、敷地条件、施主要望などで個別対応が必要な計画についても、同様の基準を満たした設計を行っています。加えて、本社設計部門では、意匠、構造、設備それぞれの専門技術者が、必要に応じた技術支援を実施します。施工段階では、施工業者と工事監督の確認後に、施工部門とは異なる専門部署が品質検査を行うトリプルチェック体制にて、次工程への進捗を図っています。また、完成後は、メンテナンス部門がアフターサービス点検を行い、必要に応じて品質維持のための対応・メンテナンスを随時実施しています。 ⑪建設技能労働者減少に関するリスク<リスクシナリオ>建設技能労働者の減少と高齢化は、今後さらに深刻化すると見込まれています。この状況により、現場監督や熟練技能者の確保が難しくなり、工期遅延や引き渡しの遅れが発生する可能性があります。さらに、経験の浅い労働者の増加によって施工品質の低下や瑕疵の発生が懸念され、追加補修費用や顧客対応コストが増加する恐れがあります。加えて、人件費や外注費の上昇による収益性の悪化、監督体制の弱体化による法令違反等のリスクが高まる可能性が懸念されます。 <リスク対策>当社では建設技能者減少に関するリスクに対し、複合的な対策を講じています。若年層や未経験者の採用・育成を強化し、研修制度や資格取得支援を通じて技能者を育成するとともに、働き方改革や待遇改善により既存労働者の定着率向上を図っています。また、省力化工法やデジタル技術(BIM等)の導入により生産性を高め、少人数でも品質を確保できる体制整備に注力しています。さらに、海外技能労働者の受け入れ促進や定年退職者の再雇用など、多様な人材確保策を実施しています。品質管理や監督体制の強化にも注力し、未経験者が増えても施工品質を維持できる仕組みを構築しています。これらの取り組みにより、技能労働者減少による影響を最小化し、安定した事業運営を目指します。 ⑫不正・コンプライアンスに関するリスク<リスクシナリオ>当社グループにおいて、法令または社内規程に違反する不正行為やコンプライアンス違反が発生した場合、当社のレピュテーションが毀損し、取引関係の悪化、株価の下落、訴訟費用の発生等を含む経済的損失が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対策>当社グループでは、未来への志(パーパス)に基づき行動指針を策定し、全従業員がその指針を実践できるよう取り組んでいます。また、企業リスクコントロールならびにコンプライアンス遵守を目的とした専門部門を中心に、規程の整備、牽制の仕組みづくり、運用状況の確認や定期的な研修を実施し、従業員のコンプライアンス意識の向上と不正防止に取り組んでいます。